ようこそゲストさん
ログイン

■2006/08/03(木) 幸せを刻むクローバー!の巻

■2006/08/03(木) 幸せを刻むクローバー!の巻

そう。そう。
そういえばさ。

今年の春からY恵を雇うことにしたんだ。

彼女の会社が自社ビルを建てて、
さらに弟が結婚して会社を継ぐ。

その関係で彼女は退職して、
新しい職場を探していたからである。

俺「じゃ、俺のトコに来いよ」

そう言って俺の会社で雇うことにした。

もちろんナンパは秘密なので、
ほとんど仕事は家の掃除や料理ばかり。

つい最近も、一緒に歯ブラシを買いにいったとき…

俺「歯ブラシなんて安いのでいーよ」

女「私は歯ブラシ高いの使ってるよ?」

俺「いくらぐらいよ?」

女「3万」

高すぎだろう!(#゚Д゚) ゴルァ!!

こんな関係が周1回ほど続いていた。
彼女は麻布生まれのお嬢様。

本人に自覚はないだろうけどセレブの部類に属す。
言うなれば俺のような雑草男とは世界が違う。

はじめて出会ったのは俺が21歳ぐらいのとき。
年上の彼女は婚約者がいる状態だった。

最初は「Hできればいいかな」ぐらいに考えてた。

しかし甘かった…

見事に心を奪われた。
俺の冷めた心を夢中にさせた。

俺は本気で愛するということを学んでしまった。



彼女に出会う前の俺は冷めてた。

まず人前で笑うことはなかった。

いかに知り合った女とSEXするか、
それだけで恋愛というものを否定してた。

付き合うという行為がくだらなく感じてた。

だからいかに付き合わずにSEXをするか、
そしていかに俺に惚れさせるかが全てだった。

「あなた無しでは生きられない」

そう女に言わせたら勝ち。
そういうゲームをしてただけだった。

ナンパだって否定してた。

軽い女を相手にすることが、
俺にとっては無意味に感じてたからだ。

そんなプライドの高いゲームをしてた過去の俺。



Y恵と出会い俺は変わった。
なにより過去の自分を反省した。

「こんなにも人に惚れることができるのか」

ということを知ってしまったからだ。
それは皮肉にもゲームクリアの条件、

「あなた無しでは生きられない」

という台詞をこの俺が彼女に投げかけていたから。
Y恵と一生一緒にいられる【証】が欲しかったからだ。

俺「婚約しててもいいから俺の子供を産んでくれ!」

などというメチャクチャな要求をしてたこともあった。

そんな俺に彼女はプレゼントをくれた。
誕生日に手作りの四葉のクローバーのネックレスをくれた。

四葉のクローバー

それは『幸せの象徴』であり、
彼女の『トレードマーク』でもあった。

女「1人じゃないからね」

そう言いながら彼女は俺の首にネックレスをはめた。
そしておそろいのネックレスを自分の首にかけた。

手作りの四葉のクローバーのネックレス。

それはこの世界に2つしかないのである。
俺と彼女が出会ったという【証】なのかもしれない。



ある日、Y恵が婚約者と別れた。
俺は嬉しくて指輪を買いにいった。

なけなしの貯金をはたいて買った指輪。
それは結婚しようという表れでもあった。

そんななか彼女が病院に運ばれる。

子宮の病気で子供が産めないかも知れない。

女「負担になりたくないから…」

そう言い残して彼女は音信不通になった。

そこから俺の地獄のような日々がスタートした。

「この世に彼女以上に愛せる女がいるのか?」

この人生最大のテーマとともに、
俺のナンパは開始されたのである。

様々な職業の女を抱いてきた。
数多くの女性を抱いてきた。

この7年間、ナンパ人生を歩んできた。
そしてY恵と再会し、やっと音信不通から解放された。

そんな中のTV出演の依頼。そして…

女「TVみたよ…」

彼女からのメール。
Y恵に俺がナンパ師であることがバレた!

まぁ、覚悟はしてた。

いつかバレたときは「書籍を渡そう」と思っていた。

書籍の最後に彼女にむけたラブレターがある。
ここに俺は全ての思いをぶちまけている。

もしこれで最後になったとしてもこれだけは読んでもらいたかった。



そして今日、Y恵が家に来る。
『音信不通』という恐怖に怯えながら俺は待つ。

ピンポーン♪

彼女だ。
ドアを開ける俺。

サングラス越しに無言で見つめる彼女の姿。

俺「ウケた?(笑)」

とりあえず動揺したら負けなので、
笑顔で聞いてみた。

先制攻撃である。

女「引いた」

俺「引くなよ!(苦笑)」

女「寝る前にTVつけたら映っててビックリした」

とりあえずテーブルに座った。
そして今までのサンジとしての経歴を話した。

なぜナンパを始めたのか。
なぜナンパ師になったのか。

ありったけの思いを伝えた。



Y恵以上に愛せる女がいるのか確かめたかったんだ。

お前さ、俺がなんでこんなに自信満々なのかわかる?

それは全て経験して見たからだよ。

Y恵以上に愛せる女がいるかどうか数多くの出会いを通して、
その結果として、最後に残ったのはY恵だった。

もう俺にとってモテることなんてどうだっていいんだ。
十分にモテてきたし、いつしかカリスマとまで呼ばれるようになった。

ここまでたどり着いてみて俺は自信をもって言える。
結果として俺は何の曇りも迷いもなくY恵を愛してると言える。

今の俺にとって、お前と結婚するつもりで俺は生きている。
お前がどう思おうと、俺にとってお前に捨てられるのは死と同じ。

重かろうが軽かろうが、とにかく俺は納得できるまで全力で進む。

それは経験を通じて言える結果であり全てだからだ!!



彼女は不適な笑みを浮かべながら、
俺の渡した本を読んでいた。

俺「最後のページにラブレターがあるから」

女「どれどれ」

俺「つか、最後に読めよ!(汗)」

女「本屋でこの表紙見たことある気がする」

俺「まぁ書店に並んでたからな」

女「ある意味、暴露本だよね(笑)」

俺「暴露本って(汗)」

もしかしたら知っていたのかもしれない?
それはわからない、なぜなら彼女は魔性だから。

本も渡した。
伝えたいことは伝えた。

後は、なるようになるだろう。



女「ところでちゃんと水あげてる?」

それは、この前、彼女が持ってきた植木。

俺「あげてるよ」

女「ちゃんと育ててるのね?偉い偉い♪」

彼女の口癖だった「私はキミを育ててるのよ」ってね。
きっと俺は、この『植木』のように天高く育ってきたのかもしれない。

そう思いながら俺は彼女を抱きしめた。

俺「幸せだ」

女「全部バレちゃったから?」

俺「違うよ、Y恵がココにいることが幸せなんだ」

そう言って俺は彼女を強く強く抱きしめた。

------------ この続きをみるには -------------

この記事は会員専用です。会員になるとお読みいただけます。

既存ユーザのログイン
   
タイトルとURLをコピーしました