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2007~2019年:空白編27

Y恵のいない日々をごまかそうと、
俺はソロでもときどきナンパするようになっていた。

この頃もうすでに30代。

この年齢になると、俺の生徒もぞくぞくと結婚や出産をしていて、
相方となるナンパ師も見つからなかった。

たまにナンパして即ったりはしてたけど、
基本的には、ソロもコンビも、ナンパは昔ほど楽しくはなかった。

日記もないし、
ナンパをする理由が、俺の中でみつからなかったというのもある。

ただ、むりくりナンパして、
出会いを増やして、新しく好きな女でも見つけたかったのだろう。

もう過去に散々繰り返して経験済みなはずなのに。
無駄な努力だと知っているはずなのに。

俺が女を好きになる確率の低さ。
過去日記を読み返しても10人にも満たないのでは、ないだろうか。

そして、いつも俺の心に巣くう魔性の女。
そいつは、まだ俺の心を侵食したまま音信普通となりやがる。

そんな中、

俺が偶然ソロナンパで即った女がいた。

その女とSXするとき、彼女の腹には、俺と同じ傷跡があったんだ。

「俺と同じ腹の位置に傷があるんだ?」

「あぁ、私、癌の手術してるから、その傷跡よ」

「俺は、昔、病気で死にかけてさ~」

俺の傷跡の話は、ナンピース日記を読めばわかる。

死にかけてる中、看護婦をナンパして退院してアポってGETしてるという、
まだ俺の人生が平和だったあの頃だ。(笑)

俺も生き延びて、
即ったこの女も生き延びて、
そしてSEXしてる。

同じ傷跡を背負った者同士。
SEXした後、いろいろ話してた。

彼女の名は、ランコ。

帰国子女で、海外でフランス料理と経営学の勉強をしてて、
最近、日本に帰国してきたそうだ。

今はOLで営業の仕事をしているが、
将来やりたいことがたくさんあるらしい。

「営業の仕事で他の社長さん達とゴルフするんだけれど、男のゴルフウェアってダサいのよね」

「そうなんだ?」

「だから私がデザインして、カッコイイウェアを作って社長にプレゼントしたりしてるのよ」

「なに?デザインとかもやるの?俺も、そういうの好きなんだよね」

「じゃぁ、一緒に何かやる?」

「おう!やろう!やろう!」

他にも休日は、ボランティアで子供にスポーツ教えたりしてるそうだ。

この女のバイタリティには、驚かされた。

「いつ寝てるんだ?お前?」って、いつも俺が周囲に言われてるセリフを思わず言ってしまうほどだ。

帰国子女というのもあるのかもしれないが、
こんなに生きることにアグレッシブで行動力がある女は、はじめてだった。

数千分の1の確率といっていい。
俺の歴代の女の中でも1番といっていいほど、相性が合った。

俺は、いままでナンパで即った女が恋愛対象には、なりにくいだろうと思っていた。
そういう偏見が、まだ俺の中には多少なりともあったのは事実だ。

でも、この女と出会って、その考えは間違いだと気がつかされた。

恋愛感情とは違うが、
人生のパートナーといったほうが、しっくりくるかもしれない。

話してて、本当に楽しいと思えたし、
何よりも、自主的に一緒に企画して行動できる女なんて初めて出会った。

「お前、おもしろいな。おごってやるから、飯を一緒に食おうぜ?」

俺が、自ら「おごる」なんて珍しいし、
なによりもSEXした後に、飯を食ってトークするなんて、

即とアポの順番が逆になっているじゃないかと。
こんなセオリーを狂わすぐらい、俺は、この女と一緒に会話がしたかったんだ。

適当なファミレスに入って、
2人して会話を楽しんでいた。

出会った初日にSEXから始まった関係。

身体はすでに知ってても、
コイツの心は、まだ知らない。

だから話をしたかったんだ。

「俺、こんなに話が合う女は初めてだよ?」

「私も、初めてだよー。でもね・・・」

「ん?どうした?」

「多分、私、そんなに長く生きられないと思うんだ」

彼女は、膵臓癌(すいぞうガン)だった。
手術は、したが自分の親も癌で亡くしてて、代々、癌の家系らしい。

そして膵臓癌の生存率は、あまり高くはないらしい。

周囲の人のために自分の能力を活かして生きるところが、たまらなく共感がもてた。

欲望なんてクソくらえだ。

こいつは自分という魂で生きている。
全力で生きている。

自分の運命を呪ってる暇なんてないんだ。
クソな世の中でも、クソに成り下がったらダメなんだ。

世間も世界も欲望も関係ない。
人となんか比較する必要などない。

自分の人生を歩まなければならないんだ。

そのことを、この女は、わかってるような気がした。

「お前の、やりたい事を全部言ってみな?俺が叶えてやるから」

「なに言ってるのよ(笑)」

「いや、マジでさ。俺とお前のコンビなら実現できると思うんだ」

そして、俺は元ナンパ師サンジであることを告白し、
今は、芸能界とも繋がってるから、パーティー業界の人脈もある。

そして変態業界のノウハウもあるし、
アイズワイドシャットのようなパーティーをやりたい事とか、

とにかく全部の事柄を、彼女に教えた。

「うわぁー、おもしろい人生おくってるんだね!?」

「そうだろ?だから、お前の人生も面白くしてやるよ!」

俺は本気だった。

彼女は料理もできるし、接待もできる。
デザインもできるし、ボランティア精神ももっている。

俺にないカードを持っている女。
そして彼女にはないカードを持っている男が俺。

この組み合わせは、最強ペアだと思った。

ナンパという技術ツールを使えば、
街で女などいくらでも集められるし、

女さえいれば男は、いくらでも集まる。

金に群がる女、
女に群がる男、

そんな欲望をもった奴らなど、俺にとっては撒餌にむらがる駒でしかない。

その日から、ナンパはGET目的ではなく、
パーティーに集めるための女収集に切り替えた。

その後、芸能関係者に相談し、

当時「ゆるキャラ」ブームで、
某ゆるキャラの中に入ってる人が、

都内某所に3億円の投資用マンションを所有していて、
そこをパーティー会場にして、計画をたてていった。

久々にスイッチが入った瞬間だった。

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