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2007~2019年:空白編30

Y恵とは新宿で待ち合わせることにした。

久しぶりの再開。
実に数年ぶり。

お互い、すぐ気がつくだろうか?

「あ!」

お互い、すぐに気がついた。(笑)

4年ぶりぐらいであろうか。
そんな長い年月を感じさせないぐらい、すぐにわかった。

俺「目立ってる女がいるな~って思ったら、お前だったわ」

女「なによ~、私も派手な男がいるな~って思って、すぐわかったから」

まるで、止まった時計の針が動き出したかのような瞬間。

昼飯を一緒に食べながら、いろいろな話をした。
そりゃぁ、数年間も会わなければ積もる話もあるだろう。

彼女は、あいかわらず恋愛話に花を咲かせて、
俺の嫉妬心を煽りに出る。

もうその手口もお見通し。
ワンパターンなテクニックも透けて見える。

もう知ってるんだよ。

俺が他に好きな女ができたら、
お前は嫉妬し悲しむんだろ?

それを悟られないようにと、
必死に強がり粋がる。

そういう女だってことは、もうわかってる。

食事した後、一緒に街を歩いてたら、
VR(ヴァーチャルリアルティ)が体験できる施設を見つけた。

俺「VRって体験したことある?」

Y「ない」

俺「じゃぁ、おごってやるから一緒に体験しようぜ?」

普段は、おごることはない俺だけれど、
自分が興味あることにたいしては、積極的におごることもある。

VRは経験してみたかったので、ちょうど良かった。

俺は、経験や体験を大切にする。
そこに重きを置くことが多い。

VR施設内は、ホラーとか銃撃戦とか、
いろいろあったけれど、

ビルの屋上から長板の端にいる猫を救出するミッションをクリアするゲームを選択した。

変なゴーグルを装着すると、
そこは仮想空間が広がっていた。

まだポリゴン技術が甘いけれど、
今後の技術が向上して、もっとリアルになるかと思うと、
現実と非現実の差異は、少なくなるのかもしれない。

あらかじめ用意された世界の範囲だけで生きる。
それを自由などと呼んでいるだけなら、どちらも大差ないのだから。

細い板の上を歩く。
風が吹いて、板が揺れる。

先端にいる猫を助けようとすると、
注意書きが表示される。

「猫を投げないでください」

どうやら猫を屋上から投げ捨てたりする人がいるらしい。(汗)

そのまま落ちないように、元いた場所に戻り、
ミッションをクリア。

続いてはY恵の順番だ。
俺は、あいつがゴーグルをつけて体験してるのを端から観察してた。

「キャー!キャー!」

仮想空間だっていうのに、現実空間でも、うるさい。(笑)

おもしろかったのでスマホの動画で撮影してた。

VR施設の踊り場に、
丸く囲まれた椅子が置いてあった。

どうやらカップルシートになっているらしく、
球体をくりぬいたような形状をしている。

「こういう椅子が欲しいなぁ」

そう言いながらY恵が近づき座った。

「時計仕掛けのオレンジっぽくていいよな」

そういって俺も隣に座る。

椅子はグルグルと回る仕掛けになっていて、
壁側を向くと周囲からは死角となって見えない。

俺「いろいろあったけれど、Y恵と連絡つかなかった時が一番つらかったよ。

Y「そう」

俺「出会ったばかりの頃は、お前に嫌われたくなくて無理ばかりしてたんだ。」

Y「うん」

俺「だから、もう遠慮しないで本音で接することにするよ。」

Y「わかった」

そう言って俺らはキスをした。

最後までイイ女であって欲しかった。
例え、それがVRのような仮想であったとしても。

気がついたら夕方になっていた。

Y恵が肉を食べたいというので、
焼肉を食べに行く。

Y「今ね、一人暮らしなのよ」

俺「自分のマンションだから家賃無料だろ?」

都内某所に住んでるマンションも、親からもらった物。
芸能人も住んでいるような高級マンション。

そこに彼女は一人暮らししている。

Y「一緒に暮らさない?」

俺「え?」

俺はY恵と、たまに会って食事するぐらいでも全然かまわなかったのに。
いきなり思いもよらないハードルを越えてくる彼女。

俺「一緒に暮らすってことは、どういう事だか、わかってるんだよな?」

Y「うん・・・そのうち親にも会ってもらいたい」

俺「結婚前提ってことだぞ?」

Y「うん」

俺は、そのままY恵の住むマンションに泊まった。

数年ぶりに抱きしめ、
数年ぶりに肌を寄せ合う2人。

こうして、Y恵との同棲生活がはじまった。

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